セカオピを受ける①
私の仕事内容的に、
妊娠したら早めに上司や同僚に話し、サポートを受ける必要がある。
そうすることで、必要以上に大きな迷惑をかけないためだ。
なので、早々に上司に打ち明けていた。
同僚の一人・ママ(仮名)には、
妊活しているがなかなか授からないことの相談も以前からしており、
この度妊娠したことも、まだ心拍が確認できないことも、
仕事を休んで検診に行くことも告げてあった。
流産の宣告を受けた翌日は、普通に、いつもと変わらず仕事に行った。
本当は、言葉でまとめられないほどの喪失感と悲壮感でいっぱいで、
辛くて辛くてどうしようもなかった。
社会人として、なんとか午前中の仕事を済ましたが、
本当にどうしようもなくなったので、ママに伝えることにした。
その日は1月なのに太陽が照っていて、
春の陽気のように温かかった。
昼休み、タイミングをみてママに言った。
「ママ、ちょっと聞いてもらいたい話があるんですけど・・・。」
昨日あったことを一気に話した。
ママも一緒に泣いてくれた。
背中をさすって、ママも泣きながら、自分の若い頃の話をしてくれた。
・二十歳そこそこで婦人科の病気をしたこと
・もうだめかも、子どもは望めない身体になるかもと思って
悲しみでいっぱいだったこと
・すがる思いで他の病院の先生に診てもらったこと
・その先生のおかげで、わずかでも希望を残した治療ができたこと
・結果として子供を授かれたこと
そのような話のあとで、
「自分が納得できるまで、あきらめちゃだめだよ。別の先生にも診てもらいなさい。」
そう言ってくれた。
別の先生に診てもらっても、同じく流産を言われてしまうかもしれない。
でも、自分が納得できないまま受け入れるのは悲しさしかないけど、
自分でやれることをやってそれでもだめだったなら、きっと前向きになれるよ。
そのような言葉をかけてくれた。
私の悲しみの中に、ひとつ希望が見えた瞬間だった。