完膚無きまでに
掻爬手術後は、
とりあえず鈍痛に耐えられず何もできないし、
出血もあるので、一日中ずっと寝ていた。
寝ていた、といっても、正直痛みがあってうまく寝れない。
食欲は復活したので、
もうつわりなんてないし、
久々にがっつりお肉を食べ
その後またお布団に戻った。
今の自分には、
とりあえず食べ物を食べるくらいしか、やることがない。
つわりがあって今まで食べられなかったもの、
嗜好が変わったもの色々あったけど
(特に甘い物全般は受け付けなくなっていた)、
もう、今日から、なんでも食べよう。
なんでも食べる。
もうつわりなんてないんだもの。
半ばやけ食いの気持ちだった。
この日の夕飯は、
夫に特上寿司を買ってきてもらい、食べた。
完膚無きまでに食べた。
やはり自分は人間、生き物なんだと思った。
胃袋が満たされると、
完膚無きまでに食べると、否応なしに元気が出るものだ。
夫も、私の有り余る食欲を見て、ほっとした表情を浮かべていた。